無線ブリッジでNASを接続する方法 —— デスクトップPCと同じ仕組み?
NAS(ネットワーク接続ストレージ)は通常、有線LAN環境で使用されることを前提とした機器です。しかし、自宅のレイアウト上ルーターと直接有線接続できない場合、「無線ブリッジ(Wi-Fiブリッジ)」を利用することで代替手段として活用できます。 多くのユーザーが、デスクトップPCに無線ブリッジを接続してLAN経由でWi-Fiを利用しているように、この方法はNASにも応用できるのでしょうか?
答えは「はい」。NASはLANケーブルで無線ブリッジに接続することで、まるで有線LANで接続されているかのように動作します。この記事では、その仕組み、設定方法、注意点、快適に使うためのポイントを詳しく解説します。
1. 無線でNASを接続する構成を理解しよう
多くのNASはWi-Fi接続に対応していません。しかし「無線ブリッジ」という機器を使えば、Wi-Fi信号をLANに変換してNASに届けることが可能です。 つまりNASは有線で接続されているように振る舞うことができます。
基本的な接続構成:
- NAS → LANケーブル → 無線ブリッジ → Wi-Fi → ルーター
これはGraceさんがデスクトップPCに使っている無線ブリッジ構成とまったく同じです。NASでも全く問題なく利用可能です。
2. 適切な無線ブリッジ機器を選ぶには?
単なるWi-Fi中継器と異なり、NASにネットワークを供給するには有線LANポート付きの無線ブリッジが必要です。以下の条件を満たす機器がおすすめです:
- LANポートが最低1つあること
- 5GHz帯対応のデュアルバンドで通信速度が高速
- ブリッジモードまたはAP(アクセスポイント)モードの切替が可能
おすすめ機種:TP-Link RE450、ASUS RP-AX56、Netgear EX6150など
3. NASを接続する際のネットワーク設定ポイント
NASを正常に接続して使用するためには、以下の設定を確認してください:
- DHCPの有効化: NASがルーターからIPアドレスを自動で取得できるようにします
- ゲートウェイおよびDNS: ルーターのIPアドレス(例:192.168.0.1)を指定
- DSMの場合:コントロールパネル → ネットワーク → 一般 → DHCPが有効か確認
無線ブリッジがDHCPを正しく中継できない場合、NASがネットワークに現れなかったり外部アクセスができないことがあります。その場合はファームウェアの更新やAPモードの活用を検討してください。
4. 無線接続のメリットと注意点
NASを無線で接続する場合の利点と注意点は以下の通りです:
- メリット: 設置の自由度が高く、LANケーブルを壁や床に這わせる必要がない
- デメリット: 転送速度が低下する可能性あり、電波干渉による接続切れのリスク
以下のような用途では有線接続を推奨します:
- PC全体のバックアップや大容量データの移動
- PlexやVideo Stationなどでの4Kストリーミング
- RAID再構成やDSMの再インストールなどシステム操作
一方で、以下のような軽い用途であれば無線ブリッジでも安定して利用可能です:
- スマホ写真の自動バックアップ
- ドキュメントの共有や音楽再生
- Synology DriveやPhotosによるリモートアクセス
5. Graceのデスクトップ構成 = NASにもそのまま使える
Graceさんの現在のPCネットワーク構成:
- デスクトップPC → LANケーブル → 無線ブリッジ → Wi-Fi → ルーター
NASも同じように接続できます:
- NAS → LANケーブル → 無線ブリッジ → Wi-Fi → ルーター
この構成では、NASは有線接続と同じように認識され、DSMの管理画面、QuickConnect、Synology Drive、Hyper Backup、Video Stationなど全ての機能が問題なく動作します。 より安定した通信のために、NASとブリッジ機器はできるだけ近くに設置するのが理想的です。
まとめ:無線ブリッジでNAS接続、問題なく使えます
無線ブリッジを活用してNASを接続する方法は、配線が難しい環境において非常に有効な選択肢です。 デスクトップPCと同じ構成で運用できるため、導入も設定も難しくありません。
もちろん、大容量データの転送や高解像度ストリーミングを頻繁に行う場合には、引き続き有線接続が最適ですが、日常のバックアップや軽い共有用途には無線接続でも十分です。