IP関連コマンドまとめ:ipconfig、arp -a、ping、tracert 徹底解説

ネットワークのトラブルシューティングやIP情報の確認を行う際、最もよく使用されるツールはコマンドプロンプトのコマンドです。特にWindows環境では、ipconfig、arp -a、ping、tracertといった基本コマンドを使えば、ネットワークの状態を素早く把握し、問題を特定できます。本記事では、これらの主要なIPコマンドの機能や使用方法、実際の活用例まで詳しく解説します。

 

 

1. ipconfig:IP設定の確認と更新

ipconfig は、現在使用中のPCのIPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイなどの情報を表示する基本コマンドです。

主な使用例

  • ipconfig:基本的なIP情報を表示
  • ipconfig /all:詳細なネットワーク情報(MACアドレス含む)を表示
  • ipconfig /release:DHCPで取得したIPを開放
  • ipconfig /renew:DHCPサーバーから新しいIPを再取得

ネットが繋がらない時にまず使うべきコマンドで、/all オプションでは無線・有線すべての情報を確認できるため非常に便利です。

IP関連コマンドの概要図—ipconfig、arp -a、ping、tracertの機能を示したネットワーク診断用の概念図

2. arp -a:ARPテーブルの確認

arp コマンドは、IPアドレスとMACアドレスの対応関係(ARPテーブル)を表示します。ローカルネットワークで通信する際の基本的な情報を取得できます。

主な使用例

  • arp -a:現在記録されているARPテーブルを表示
  • arp -d [IP]:指定したIPのARPキャッシュを削除

同一ネットワーク上にある機器の確認や、MACアドレスの衝突、ARPスプーフィングの検出に役立ちます。

 

 

3. ping:接続確認テスト

ping は、対象のアドレスにICMPエコー要求を送信し、応答を受け取ることで接続状態を確認するコマンドです。応答速度やパケット損失の有無もチェックできます。

主な使用例

  • ping 192.168.0.1:ゲートウェイへの接続確認
  • ping naver.com:ドメイン名での通信確認
  • ping -t [アドレス]:無限ループで応答を確認(Ctrl+Cで停止)

ネットワーク機器の稼働状況や接続の有無、内外部ネットワークの問題の切り分けに最適です。

4. tracert:通信経路の追跡

tracert(トレースルート)は、パケットが目的地に届くまでに通過するルーター(ホップ)を順番に表示するコマンドです。どこで遅延や切断が起きているかを確認できます。

主な使用例

  • tracert google.com:Googleへの経路を追跡
  • tracert 8.8.8.8:DNSサーバーへの経路確認

pingでは問題がないのに遅いと感じる場合、tracertを使えばボトルネックとなっている箇所を特定できます。

 

 

5. その他の便利なコマンド

5.1 netstat

  • netstat:現在の接続ポートと状態を表示
  • netstat -an:ポート番号とIPアドレスを詳細に表示

5.2 nslookup

  • nslookup [ドメイン]:DNSの解決結果を確認

5.3 pathping

  • pathping [アドレス]:pingとtracertを組み合わせた詳細診断

専門家でなくても、これらのコマンドを使えばネットワークの状態を迅速に診断し、設定の確認や不具合の特定ができます。

 

 

6. 実際の活用方法と流れ

インターネットが遅い、または接続できない場合、以下の流れでコマンドを実行すると原因を特定しやすくなります:

  1. ipconfig:IPとゲートウェイの確認
  2. ping:内部/外部ネットワークの確認
  3. tracert:遅延や遮断の経路を追跡
  4. arp -a:MACアドレスの状況確認
  5. netstat / nslookup:ポートやDNSの状態診断

基本的なコマンドを覚えておくだけで、自力で多くのネットワークトラブルを解決でき、ネットワーク理解も深まります。

基本的なコマンドこそ、ネットワークトラブル解決の鍵です。

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