SSDの寿命を延ばすには?—— TRIM、ウェアレベリング、オーバープロビジョニングの理解

SSDは高速・静音・省電力な記憶装置として人気ですが、書き換え回数に限りがあるため、適切な管理が重要です。本記事ではSSDの寿命を延ばすための3つの技術、TRIMコマンドウェアレベリングオーバープロビジョニングについて詳しく解説します。

 

 

1. TRIMコマンド —— ガベージコレクションの効率化

TRIMは、OSが「削除されたデータ領域」をSSDに通知することで、SSD内部での整理(GC)を効率化する仕組みです。

  • 書き込み速度の低下を防ぎ、 無駄な書き換えを減らします。
  • Windows 7以降、macOS 10.6.8以降に対応。
  • TRIMが機能しない場合、書き込み速度が著しく低下し、SSDの劣化が加速します。
    SSDの寿命を延ばすための3つの技術を示すインフォグラフィック - TRIMコマンド、ウェアレベリング、オーバープロビジョニングの機能を視覚的に解説。

2. ウェアレベリング —— 均等なセル使用で寿命を延ばす

ウェアレベリングは、フラッシュメモリセルの劣化を均一化する技術です。

  • ダイナミックウェアレベリング: 書き込み回数の少ない領域を優先的に使用。
  • スタティックウェアレベリング: 長期間未使用のデータも移動してバランスを取る。

これらを組み合わせることで、SSD全体の耐久性が大幅に向上します。

 

 

3. オーバープロビジョニング —— SSDの隠れた余白

オーバープロビジョニング(OP)とは、ユーザーには見えない内部領域を指し、GCやウェアレベリング、障害ブロックの置換に使用されます。

  • 通常、SSD容量の7~28%が確保されています。
  • ディスクを満杯にせずに使うことで、擬似的にOPを増やすことが可能です。

たとえば、1TBのSSDを900GBだけ使うことで、約10%のOPを確保できます。

補足:ファームウェアと温度管理も大事

  • ファームウェアの更新: GCや書き込みアルゴリズムの最適化。
  • 温度管理: 70°Cを超えるとNANDの劣化が急激に進行。

 

 

まとめ —— SSDにもメンテナンスが必要

SSDは消耗品ですが、TRIM、ウェアレベリング、オーバープロビジョニングを理解して使えば、寿命を2〜3倍に延ばすことも可能です。大切なデータと速度を守るため、これらの技術を日常的に意識しましょう。

 

 

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